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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

「シン・ゴジラ」でうっとりした、「エヴァ明朝」の文字たち

20 同時代ノート 30 自在眼鏡の本棚 35 ノンフィクション・記録 83 ゴジソン( 「ゴジラ」映画を観る)

ようやく、「シン・ゴジラ」を観ることができました。
SNSなんぞで「行ってきました」「観てきました」という投稿につづいて、みなさんの魂の震えを目にするたびに、パーティ会場で壁ぎわに追いやられている気がしたものでした。
が、昨夜フライデーナイト、家人の計らいで、スクリーンのまえに座れたのです。感謝感謝。

こういう幸せな時間を過ごしたら、もう何も言いたくないというのが正直なところです。「シン・ゴジラ」の中身についてはあちこちで語られているので、それは他の方にお任せして、ぼくは本編を見ながら、あることでついうっとりしていました。

そのうっとりとしたところは、
ストーリィとか石原さとみさんとかでなく。
ゴジラの動きでもなく、鬱陶しいくらいの台詞のシャワーでもなく。

いや、それらは充分に魅力的なんですが、じつは、明朝体でデザインされたテロップなんです。

ぼくは、庵野さんの明朝体、あの極太明朝体が好きなんですよ。「庵野明朝体」あるいは「エヴァ明朝」で画像をググると、まあでてくることでてくること。
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と上記写真の本は、小谷充『市川崑タイポグラフィ』(水曜社)から。

市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究

市川崑のタイポグラフィ 「犬神家の一族」の明朝体研究

この本については、過去に投稿したことがあります。
thx.hateblo.jp

黒字に白抜きの極太明朝体、それをさらにL字型に配置したビジュアルは、庵野秀明市川崑にたいするオマージュと庵野自身が公言してはばからないと、著者は言っています。

庵野明朝についてはこう書かれています(改行は引用者)。

新世紀エヴァンゲリオン』のサブタイトル書体は「マティスEB」(一九九四)。
日本語のデジタルフォントが欠乏する状況をいちはやく察知して、一九九〇年に香港から市場へ参入したフォントワークス社とデザイナー佐藤俊泰が共同開発した書体である。庵野秀明は監督デビュー作『トップをねらえ!』の予告映像において、混植組版を解くまでにはいたらなかったが、“いわゆる市川崑明朝体”が石井特太明朝体であることをつきとめ、これを採用したオマージュ表現をおこなっている。
したがって市川崑が好んで用いた明朝体を知りながら、『新世紀エヴァンゲリオン』では意図的に肉太の別書体を使っているわけである。マティスEBを徹底して用いる関連商品のありようや、さらにひとまわり太い「マティスUB」を劇場版(一九九七)に用いていることから、庵野がこの書体にこだわりをもって使用しているのは明らかである。

てな記述にぶつかると、うれしくなりますねえ。

ちなみに、マティス-EBフォントについては、より詳しい説明があります。
www.lets-member.jp

来月9月下旬に発売される予定の、『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』にはこのあたりが書かれているでしょうか。ぼくはさっそく予約しました。

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ