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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

その言葉を信じて踏み出す~ 和田一郎『僕が四十二歳で脱サラして、妻とはじめた小さな起業の物語』(承前)

22 ナリワイ・ノート 30 自在眼鏡の本棚 31 たまビジ(「たまにはビジネス書も読むわよ」)

うわああ、後日整理させてもらいます、と言ったきりで、ついに越年とは。
和田さんはじめ、失礼いたしました。

thx.hateblo.jp

前の投稿にも書きましたが、ほぼ徒手空拳で42歳で独立を決めた和田さん。
彼は会社を辞めるとき、胸に抱いていた起業プランを捨てている。捨てたというより断念した。無計画でさらに無職。さしたる資金もなく、思いついた起業アイデアはことごとこく否定された。
いったい、なぜ彼は独立を果たせたのか。
ぼくなりにちょっとまとめてみました。

起業のための5つのヒント

自分はどのタイプか見極めること

起業家にはふたつのタイプがあるという。
ひとつは、孫正義とかスティーブ・ジョブズのような、世界を変えるかもしれない道を進んでいくタイプ。彼らは何度も失敗するが、何度も立ち上がる。そのたびにスケールが大きくなっていく。

もうひとつは、事業の成長よも優先させるものがあり、どこかで満足をするタイプ。自分と自分のまわりに課すことができるリスクを冷然と判断して、その範囲でリスクをとる。
要するに、成長を急がないタイプである。

わたしという人間は、どちらのタイプなのか。まず、それを見極めることが大事だと和田さんは言っている。ちなみに、和田さん自身は後者であるという。

何が何でも配偶者は説得すること

和田さんの事業は、海外向けのアンティークリサイクル着物の販売。この商売にたどり着くために、和田さんひとりが奮闘していたわけではない。
その傍らにはいつも奥さんがいらした。
ときに厳しく、ときに真摯に、ときに包み込むように、彼を支えた。奥さんは、和田さんが会社を辞めるときには反対しなかった。むしろ、応援してくれるサポーターだった。
奥さんが反対したら、きっと独立はしなかっただろうと、和田さんは述べている。

会社を辞めて自分の商売を始めたいなら、自分の足で立っていたいのなら、妻帯者はなにがなんでも妻を説得して味方につけよう。自分の生きる場所を探す旅とは、とりもなおさず、妻と自分の生きる場所を探す旅でもある。

なんといっても、和田さんの商売のきっかけをつくり、手応えを感じさせ、とにもかくにも彼の背中を押したのは、奥さんだったといえる。いやあ、奥さん、えらいっ(笑)。

ビジネスの核心は「売ること」にあると知ること

本や雑誌を浴びるほどに読みこなし、街へ出て店を探訪し、事務所を借りてネットでサイトをつくっても、それだけでは商売していることにはならない。
それは「商売の中心」を避けていることにしかならない。

「商売の中心」とはなにか。
それは「売ること」である。「売る力」を獲得しなければ、カネは入ってこないのだ。
それを認識することがひとつ。

もうひとつは、まずは「何かを売ってみる」ということである。
そのためには、準備万端整わなければならないかというと、そんなことはないという。

「売ること」さえできれば、ほかのことは後からでもなんとかなる。

会社員として何年も勤めてきた者にとって、自分の名前で何かを売るということはとても難しく感じる。それはちょうど海に飛び込むのに似て、大きな心理的障壁を感じるのである。
しかし、飛び込んでみれば、妻子世は溺れそうになるかもしれないが、浮き上がることができて、水の冷たさにも波にも慣れ、なんとか泳いでいくことができる。
ある程度は考えてみる。だが、絶対に正解と思える答えが見つからなくても、とにかく何かとっかかりのあるものを売ってみる。

自分ができないことは他人の力を借りること

海外向けにアンティークの着物を売る。
となると、少なくとも英語(ビジネスレター)と着物の知識、それから小売りの知識はそれにりに必要だと思うのだが、和田さんがこの商売をはじめたときには、その力は皆無だったという。
しかし、英語は奥さん、着物の知識は(たまたまなのだが)お母さんが持っていた。
なんと(笑)!

だから、彼はそれを頼った。
自分でできるにこしたことはないが、「立ってる者なら親でも使え」の精神が、商売をはじめる時宜を損なわないことにつながる。自分の苦手なところは、他者にお願いすればいい。

やりたいことより、できること

自分の情熱を注げて、それが収益に結びつくなら、そんな素敵なことはない。でも、そんな対象は常人にはなかなか見つかるものでもない。

早くにパッションを見つけ、それを膨らませてビジネスに結びつけることができる人もいるが、多くの人は何をやるべきかわからず、とにかく自分ができるビジネスを始め、やがてそれを自分のパッションを注ぐことができる対象へと育てていっているように思えるのだ。
僕が痛感するのは、パッションを注げる対象は無理に探さなくてもいい、ないならないで誰がに感謝されることをやってみればいいではないか、ということだ。

ナリワイはこの言葉からつくられた

以上、この本からいくつか「ナリワイ」をつくるためのヒントをもらった。もっともっと見つかるに違いないが、いったんここで留め置きます。
でも、いちばんぼくが気に入っているのは、このフレーズ。

その人は、こう言ったのである。
「会社を辞めたって、誰でも食べていくことができるよ。頭のいい人は頭で、身体の頑強な人は身体で、どちらでもない人は情に訴えて」
僕は先輩のこの言葉を信じることにした。

和田さんの起業は、まさにここからはじまっているんですよね。
その言葉を信じたことから。