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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【42歳からの子育て】うつ状態へ #2

21 42歳からの子育て

前回まで。
thx.hateblo.jp

ここから先はできれば書くことは避けたい難所である。
というより、2010年初冬には子どもが産まれて、ぼくは育児休業に入るのだが、この期間ほとんど自分や周囲がどうだったかということを覚えていない。
仕事は佳境に入っていたから忙しいのは忙しいのだが、自分の時間はその渦を無視するように静止している感じがしていた。まるで、「天空の城ラピュタ」のラピュタ城と、その周囲を激しく回転する雷雲のように。

いま思い出すのは、夏のある朝の高田馬場駅のホームを歩いていたこと。
「誰かおれをホームに落としてくんないかな」と思って、いや念じて社外パートナのところへ向かって、進んでいた。ホームのギリギリ端っこを歩いていた。システムのテスト検証のフェーズだった。

自分から落ちるのではなく、誰かに落としてもらえば、事故になって、いまの状況から解放される。自分からは落ちたくなくて、他人に落としてもらいたい。
そう硬く念じていたのだ。

走水神社に詣でてからしばらくして、水天宮へと義母と安産祈願に行った。夏の暑い盛りだ。そのイベントも、これを書くにあたってM氏のブログで確認して、そうだったと思い出すくらいである。

M氏と子どものほうはほぼ順調だったが、途中から逆子ということが解って、逆子体操だのお灸だのに励んでいた。けっきょく、その逆子は最後まで元には戻らす、帝王切開手術ということになる。


ぼくが倒れた、というより、起き上がれなくなったのは、10月の中旬だ。
その朝は、完全に身体が動かなくなった。
ほほを、なぜか涙が伝わったのをまだ覚えている。

春からのシステム構築・導入は9月上旬には本番リリースし、周囲の助けもあってほぼトラブルなし、客先にも迷惑はかけなかった。上出来である。上司は「成功だ、安心しろ」と告げてくれたが、相変わらず自分の時間は止まったままだった。達成感も特段感じなかった。

導入が終わったからといって、それでプロジェクトが終了ということには簡単にはならない。ケースバイケースだが、1週間ほどは気が抜けないし、そもそもその物流センタは24時間365日稼働している。一日の業務の流れがきちんと決まっているから、システムだろうとなんだろうとトラブルがあれば後続作業に影響が出る。土日祝日はなんてのは一切関係なし。
システム導入したベンダとして、こちらも気が抜けない。なにかあれば、駆けつけて対応しなくてはならないし、そういう要員シフトを敷いておかなければならない。

システムが本番稼働を迎えてから、身体が動かなくなるまでは1ヶ月くらいあるが、その間のことはほぼ記憶にない。もともと記憶力がいいほうではないが、それに輪をかけて何も思い出せない。
ただ、10月のある朝に突然起き上がれなくなったその前には、システムトラブルがあった。それは覚えているが、それが引き金になったかどうかは判然としない。

病院に行き、「うつ状態」だと言われた。(この項、終わり)