読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【芥川賞直木賞予想#154-4】2016年 第154回芥川賞を予想します

30 自在眼鏡の本棚 37 芥川賞直木賞ウォッチ

f:id:zocalo:20160109080033j:plain

第154回芥川賞候補作をすべて読み切りました。
おさらいですが、候補作は以下の通りです。

  • 加藤秀行「シェア」(文學界10月号)
  • 滝口悠生「死んでいない者」(文學界12月号)
  • 松波太郎「ホモサピエンスの瞬間」(文學界10月号)
  • 本谷有希子異類婚姻譚(いるいこんいんたん)」(群像11月号)
  • 石田 千「家へ」(群像7月号)
  • 上田岳弘「異郷の友人」(新潮12月号)

今年に入って、残りの石田さん上田さんの2作品を読み進めてきました。

それぞれの作品のあらすじ・書評はこちらに譲ります。

  • 石田さん

www.tokyo-np.co.jp

  • 上田さん

www.nishinippon.co.jp


石田さんのは、独特の文体と言葉の配置が面食らうかもしれませんが、それは慣れの問題もいえます。
話自体はいわゆる「いい話」です。ですが、「いい話」すぎてどうにもその殻を破ることなく終わってしまっている感じがしました。
ぼくはこの230枚(原稿用紙)の作品を読むのがいちばん難渋しましたね。

次、上田さんの作品。
他者の意識を覗くことができるという存在、現時点では独身サラリーマンの「山上甲哉」を仮の身としている存在が主人公であり、彼にアルファベット頭文字の登場人物が複雑に絡まっていくというのは、前掲の文芸時評通りなのですが、最後まで読んでいって、テーマ以前にこんな複雑な人物設定をわざわざした意図というのは何なのかが解らなくて、鼻白んでしまいました。もっというと、「大再現」なる世界の再構築現象が、読み手のぼくらには既知の出来事であるということが、途中で解ってしまったこともあって。

さて、以上で全作品を読んだのですが、正直これは困ったと思っています。これまでの候補作読みのように、「これで決まりっ」と自分から推せるものがないのです。
といっても詮方ないので、以下にぼくの予想を挙げます。

個人的には加藤さんの作品を推してみたい。
候補作中いちばん共感をこれからの期待を持てたので。ただ、候補作の卒のなさがどう評価されるか。「もう一作読みたい」と言われるかもしれません。

滝口さん、上田さんは、賞をとってもおかしくないかもしれない。
が、それは今回の作品というよりは彼らの文芸にたいするアグレッシブな姿勢とその姿勢を支える技量にたいしてだ。

だから、この三人がどのような組み合わせでとってもおかしくはないと感じた。<滝口・上田>ペアという可能性もある。そのなかで個人的には加藤さんを推したいと思いました。

さて、銓衡会にはまだ時間があります(1/19銓衡)。
もしかしたら考え方が変わるかもしれませんが、ぼくの予想としていったんのFIXです。改めて1/18には最終予想をあげておきますね。

みなさんは、どのように読まれましたか。
さ、次は直木賞候補作を読まなくちゃ。

そうそう、こちらもお楽しみに。