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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【書架 #207】没後40年。「ミスター天声人語」深代惇郎の言葉に触れる

20 同時代ノート 30 自在眼鏡の本棚 34 エッセイ・コラム・散文


2015年12月17日は、朝日新聞記者・深代惇郎の没後40年にあたる。
今日の朝日新聞天声人語は、先輩コラムニストに敬意を表して、そのことに触れていた(デジタル版は会員登録していないと完全には閲覧できないのでご注意を)。
digital.asahi.com

ついでながら、新聞週間について、深代が書いた天声人語も再掲載されていた。
digital.asahi.com

しばらくまえに、朝日文庫から深代惇郎の「天声人語」が復刊されていて、僕はそれについての一文を書いた。
thx.hateblo.jp

今日は思いもかけず多くのアクセスを頂戴しておりますが、ここで触れておきたかったのは、朝日新聞の「名物コラム」(しつこく言うが「名コラム」ではない)の歴史と問題点については、日垣隆『エースを出せ!』(文春文庫)を、そして深代惇郎の「天声人語」が持っている「コラムの矜恃」については、坪内祐三『考える人』を、ぜひ手にしていただきたいということだ。

坪内さんがそこで紹介しているのは、田中角栄元総理退陣につながった「文藝春秋」の立花隆児玉隆也レポート(「文藝春秋」1974年11月号掲載)にたいする、深代惇郎自身が「天声人語」でみせたコラムニストの矜恃と勇気だ。

雑誌『文藝春秋』十一月号が特集した「田中角栄研究--その金脈と人脈」のレポートは、もっと問題にされるべきだ。もしここに書かれてある内容が事実ならば、そのそのような人を総理大臣に持ちたくない。もし事実でないならば、首相は身の潔白を自分の言葉で説明すべきではないか。

とはじまるコラム「角栄研究」は、10月19日の朝日新聞朝刊に掲載された。

文藝春秋」の発売日は毎月10日である。とすればこの号の発売は10月10日(この日は祭日なので翌11日に書店に並んだ)。
しかし、巷間よく言われているように、このレポートが公開されても世間は、いや報道はそんなに騒がなかった。
新聞の政治記者の多くが(もちろん、朝日新聞だって例外ではないでしょう)それを知っていたにもかかわらず、「あえて書かない」という反応だったという。
ようやく火がつくのは、10月22日の外国人記者クラブでの、文春レポートにたいする角栄自身の釈明からだった。

その3日前に、深代惇郎は、朝日新聞の一面のコラムで、自分の意見を述べたのである。彼は勝ち馬に乗らなかった。乗る前に旗幟鮮明とした。こういう眼のつけどころが、坪内さんだ。
坪内さんはこう書いている。

皆が騒ぎ立ててから、それに乗っかるように、ある意見をはくのは簡単です。しかし、そうなる前に、このようなきっぱりとした言葉を口にするのは勇気がいります。しかも舞台は「天声人語」です。それが、たとえ個人的な意見であったとしても、世間はそれを、朝日新聞社のオピニオンとして受けとめ、それに意見します。
そのことを充分に自覚しながら、深代惇郎は、「天声人語」を舞台に、自分の声を発信し続けました。

よかったら、明日、『深代惇郎天声人語』を手にしてみてくださいね。
個人的には、明朝の勝谷誠彦のメルマガが楽しみなんですけど(笑)。

深代惇郎の天声人語 (朝日文庫)

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エースを出せ!―脱「言論の不自由」宣言 (文春文庫)

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考える人 (新潮文庫)

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田中角栄研究―全記録 (上) (講談社文庫)

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田中角栄研究―全記録 (下) (講談社文庫)

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淋しき越山会の女王―他六編 (岩波現代文庫―社会)

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