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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【小さな旅】新江ノ島水族館へでかけきました

80 小さな旅 21 42歳からの子育て

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新江ノ島水族館へでかけきました。

じつは、午後、子どもを連れて別のイベントにでかけようとしていたのですが、たまたま観ていたTVに新江ノ島水族館のCMが飛び込んできて、娘がひと言「ここに行きたあーい」と一発変更。
お誘いを受けていたイベント参加はフイになり、ほんと申し訳なかったです。

www.enosui-wonderaquarium2015.com

風が吹き荒れた金曜日から一転、水族館の裏に広がる海辺はずいぶんと穏やかでした。サーファーもぷかぷか浮かんでいましたが、波を待っている姿にはどことなくのんびり感が漂っていました。
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水族館に戻り、あちこちの展示コーナーをのんびり歩き回っていました。
なかでもぼくが気になったのは、クラゲコーナー。「クラゲファンタジーホール」と呼ばれています。

約60年の飼育研究と展示手法で培われた経験を活かした「クラゲファンタジーホール」は、クラゲの体内をイメージさせる半ドーム式の空間の壁面に大小13の水槽と、ホール中央に球型水槽「クラゲプラネット~海月の惑星~」を配置しています。
世界で一番大きなクラゲの一つとされるシーネットルをはじめ、常時約14種類のクラゲを公開しています。

その中央に「クラゲプラネット」があります。球形水槽のなかにクラゲがたゆたっています。
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クラゲは、「海月」「水母」「久羅下」と書かれてきました。あの「古事記」にも登場していて、次の一節はよく知られている。

次に国稚(わか)く浮きし脂(あぶら)の如くして、海月(くらげ)なす漂(ただよ)へる時、葦牙(あしかび)の如く萌え騰(あが)る物によりて成れる神の名は・・・・

「国が未成熟で浮いた脂のようであり、クラゲのようにふわふわと漂っていたとき・・・」というような文意である。ここでは国土がまだ固まっていない、おぼつかないことの例えに使われているんですね。
そんな頼り気ないもの、おぼつかなく、柔らかいものの象徴が、クラゲなんです。

もうひとつ、クラゲと聞いてぼくが思い出すのは、村上春樹ねじまき鳥クロニクル』第二部のこんな一節です。
主人公の「僕」と妻となるクミコとの水族館でのデートのとき。
クラゲが大嫌いな「僕」と対照的に、クミコはクラゲに魅入られていました。そんな彼女に「僕」は訊ねます、なんでそんなにクラゲが好きなのかと。
それにたいして、クミコはこう答えるのです。

でもね、さっきじっとクラゲを見ているうちに、私はふとこう思ったの。私たちがこうして目にしている光景というのは、世界のほんの一部にすぎないんだってね。私たちは習慣的にこれが世界だと思っているわけだけれど、本当はそうじゃないの。
本当の世界はもっと暗くて、深いところにあるし、その大半がクラゲみたいなもので占められているのよ。
私たちはそれを忘れてしまっているだけなのよ。
そう思わない?
地球の表面の三分の二は海だし、私たちが肉眼で見ることができるのは海面というただの皮膚にすぎないのよ。その皮膚の下に本当にどんなものがあるのか、私たちはほとんど何も知らない。
(改行引用者による)

それまで、クミコとのあいだに壁を感じていた「僕」は、クラゲゲートをしたことでで少し距離が縮んだと主人公は感じますが・・・。


といったようなぼくの感想とは別に、子どもたちはウミガメを見たり、浜辺に落ちているものでクリスマスツリーをつくったりして、楽しんでいました。

なかでも、夕方からはじまる「お絵かき水族館」には大興奮(息子は残念ながらディープスリープ)。
紙に書いたさかなたちが、大スクリーンで泳ぎ出します。


Sketch Aquarium / お絵かき水族館

子どもならずともやってみたくなります。
娘の描いたイカさんが、しっかりと泳いでくれていました(中央やや左の白い物体)。
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スクリーンから眼を外すと、すっかり日は暮れていました。
息子はまだ寝ています。
お腹も空きましたねえ。
そろそろ帰ります。

みなさんには少し早いですが、メリークリスマスの一枚を贈ります。
穏やかないい陽気でした。
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