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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【書架 #199】久しぶりに笑えてためになる1冊~『読書で賢く生きる。』

31 たまビジ(「たまにはビジネス書も読むわよ」) 30 自在眼鏡の本棚

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中川淳一郎・漆原直行・山本一郎『読書で賢く生きる。 ビジネススキル探しを超えて』(ベスト新書)。

穏やかなタイトルだが、書いている人たちを見たら、( ̄ー ̄)。
そして、その期待に応えるような内容!
久しぶりに笑えて、ためになりました、といえる本でした。

中味は、オビ文そのままです。
要するに「ビジネス書にむしゃぶりついても、自己啓発はできないよー」という、「反ビジネス書」論というのが基本軸。
なんで「自己啓発ができないか」という理由に添えて、ビジネス書の歴史とか、その背景にある思想とか、はたまたいわゆる「ビジネス書業界」(というのがあるそーです)の裏側とかも解説してくれてます。

書き下ろしの「読書論」のほか、阿佐ヶ谷ロフトAで複数回にわたって開催されたトークイベント、「ビジネス書ぶった斬りナイト」のプレイバックも収録してます。
自己啓発」という言葉が放つ匂いに、ムズムズ感や胡散臭さを感じているものの、どうもその感じをうまく言葉にできないという向きには、ここにその答えがあるといってもいいかもしれません。

かといって、一方的に「すべてのビジネス書がクソ」と全否定しているわけではなく、ビジネス書にもためになる名著古典もきちんとあり、それらを紹介しつつ、ではとんなビジネス書が駄本であり、どれを読むべきかという「ビジネス書リテラシー」を論じている。
そのバランスがとてもうまく構成されているなと感じます。

ぼく自身は、これまでの「本棚」の中味をみていただければ解るように、ビジネス書自体にはほぼ関心はありません。
でも、「ためになる読書」や「楽しい読書」ができるなら、ビジネス書だってどんどん読んでいきたい!

一方的にポジティブ前傾のビジネス書と、それらの本と著者を無批判に礼賛する読者をぶった斬りつつも、それはそれとしてやっぱり「本」というものはジャンルにこだわらず、人生のためになるし新しい知見を得ることができるツールだと、読み手を前向きな気持にしてくれる、いい1冊でした。