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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【書架ノート #176】『村上朝日堂の逆襲』を読んで、行く夏を惜しむ

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村上春樹『村上朝日堂の逆襲』(新潮文庫*1

言われんでもわかっとるわい、と怒られそうだが、収録されているエッセイ「夏の終わり」をひらくと

いよいよ夏も終わりである。

と、いきなり目に飛び込んでくる。
そう書かれると、やっぱり寂しいでしょう?
ぼくも寂しい。

昔から夏は苦手で、要するに暑いのがイヤなんですが、赤とんぼが舞うようになって、妙に日が暮れるのが早くなってくると、やっぱり切なくなってくる。

切ないって、表現おかしいでしょうか。
やり残したことがいっぱいあるような気がして(宿題は別)、なんだか胸がふさがっちゃう。
って、女子中学生か、おまえは(笑)

夏なんてまた来年も来るんだからと自らにいいきかせても、海の家がたたまれたり、赤とんぼが空を舞ったり、海岸にウェットスーツ姿のサーファーが増えたりするのを目にすると、良いことなんてみんなもう終わってしまったんだという気がしてならない。こういうのは発想としては子供と殆ど同じである。

旅行から帰ってきて、さて駐車場から自宅へ行こうとすると、とたんに娘が大泣きし始めた。
「りょこう、おわっちゃうのやだやだやだやだ」とクルマから降りようとしない。

そうだよね、でも良いことなんてみんなもう終わってしまったのだ。

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*1:写真は『村上朝日堂』です。