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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【折々の本棚 #123】堀部篤史『街を変える小さな店』の著者には、この地方創生はどううつっているんだろう

30 自在眼鏡の本棚 31 たまビジ(「たまにはビジネス書も読むわよ」)

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堀部篤史『街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。』(京阪神エルマガジン社)。

小ぶりの判型に、衒いのない装幀。
著者が店長をつとめる恵文社一乗寺店に、ぼくは行ったことはないけれど、そのたたずまいを感じることができる。
なんていうと口幅ったいことこの上ないです(笑)。

恵文社一乗寺店について
恵文社一乗寺店 | 恵文社一乗寺店について

「本にまつわるセレクトショップ」を標榜し、京都市左京区という、「ただの田舎やんけ」と指さされる土地に店を構えて、30年以上の恵文社一乗寺店
しかし店の歴史の前半は、堀部自身も回顧するように、売り上げや新刊情報にはさして関心もなく、ただ自分たちに割り当てられていた本棚を充実させることだけに没入していた、好き者集団の時代だった。

独自に進化していった好き者たちは、ひとまず書店経験のある店長によって、書店とはなにかという「基本ルール」を覚えさせられ、自分たちのこれまでのスタイルを客観視することができるようになった。

自分たちのスタイルとはなにか、この店のコンセプトはなんだろうという議論と試行錯誤は、2002年にオンラインショップ開店という決断を契機に、大きく動いていく。
書店が情報発信をしていくことにつながったのである。ギャラリーを併設、雑貨も取り扱った。
「本にまつわるセレクトショップ」のかたちが整ってきた。

どうやったら「街の本屋」は生き残っていくのか。著者はそのヒントを、自分たちの店と同じように、「京都らしい」「地元になくてはならない」小ぶりの個人商店を著者自ら訪ねることに見いだそうとしている。

このところの地方創生ブームを、著者はどのように見ているのか、聞いてみたいと強く感じた。



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次回、みなさまとお目にかかれることを、楽しみにしています。