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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【折々の本棚 #107】『大失言』でわかる、失言暴言放言は、れっきとした日本の近代史だ

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失言王認定委員会『大失言 失言・暴言・方言〈厳選77〉』(情報センター出版局)。

政治家の名言のあとは、「失言」「暴言」でしょう!
「失言は本音なんです」といった方がおられましたが、蓋し名言です。

人の口に関所は立てられないとはいえ、どれもこれも風味舌禍、いや絶佳ですが、まずは、これ。

「ばかやろう」(吉田茂首相)

これで国会は解散。これで自由党は23議席を失いました。戦後の失言のベスト3には入るのではないか。

終戦直後の国会はなかなか刺激的だ。

「自分は俠客の代表として国会に出てきている」(小西虎松議員)。

この発言の前後に、国会議員同士の殴り合いがありました。

つづいては、

  • 「たばこは健康のもと」
  • 原発をつくればつくるほど国民は長生きできる」。

これは「昭和の黄門様」こと渡部恒三衆議院議員

「黒人は破産してもアッケラカンノカー」
「毛針で釣られる魚は知能指数が高くない」(故渡辺美智雄政調会長)。

懐かしいです、これ。

「政治家に徳目を求めるのは、八百屋で魚を探すようなもの」(秦野章法相)。

ロッキード事件で起訴された田中角栄を擁護しようとした発言。「文藝春秋」での対談記事で。

「デモは騒がしいようだが、神宮球場は今日も満員だよ」
憲法九条を廃棄するときがきた」(岸信介首相)。

まあデジャヴ。

核兵器を使うかどうかは保有国の勝手」
「日本は王制の国」
「米国には黒人やプエルトリコ人がいるから、知識水準が低い」(中曾根大勲位)。

失言暴言といったら、石原慎太郎元都知事も殿堂入りだろうが、多すぎて(苦笑)。
ひと言だけ紹介しましょう。

リニアモーターカーは豚小屋と鶏小屋の間を走っている」。

いま着工間近のリニア新幹線が、1988年当時宮崎県で実験線を敷かれて走っているのを視察したさいのひと言。翌日謝罪するが、会見後に「養豚場、養鶏場といえばよかったのか」とつぶやいたとか。。。

きりがないので、最後に、故青島幸男さんの失言、これも失言になるようですが、引いておきましょう。
1987年5月20日の参院予算委員会。防衛予算がGNP費1%枠という従来の不文律を突破してもいいという閣議決定がされたことを受けて、このひと言。

「こんな態度で閣議に臨まれておるんだったら、何回閣議を繰り返しても国民の要望を国政に反映させるような民主国家の運営なんかできっこありません。
あなた方は身の安全だけにきゅうきゅうとして中曾根さんのいいなりになっているだけじゃありませんか。
なんですか。あなたがたは全員腰抜けだ。責任を全うしていない。あほですよ」

青島さんの啖呵ですよね。この発言は懲罰動議にかけられそうになったが、「のらりくらり答弁の方がよっぽと不適切」と切り返して、けっきょく参院議長の口頭注意で決着となった。

あー、失言ウオッチングは楽しいです。
巻末の「失言年表」は必読!
「失言・暴言・方言」、これもひとつの近代史であります。

大失言―戦後の失言・暴言・放言「厳選77」

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