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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【積ん読王の本棚 #93】宮嶋茂樹『不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス』

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宮嶋茂樹勝谷誠彦=構成『不肖・宮嶋 南極観測隊ニ同行ス』(新潮文庫)。

不肖・宮嶋」キャラが立ったのは、この本ではないかと内心思っているのだが、カメラマンの宮嶋茂樹さんの、第38次南極観測隊同行のルポ。
アカデミックな面のルポではなく(いうまでもないですよね)、観測隊の日常生活にフォーカスしている。

構成が勝谷誠彦となっているのは、宮嶋さんの南極からの手書きのデータ原稿を勝谷さんが必死になって再構成したからである(その原稿が宅配便で届いたとき、その段ボールを床から持ち上げられなかったという)。

不肖・宮嶋、この日の本に生を享けて三十有余年・・・いまや最高級のベンツ500Sを乗り回し・・・助手席には、夜毎に違う美女。
住まいはいまでも「つつみ荘」だが、・・・つつみ荘にある幾つかの六畳間の、ほとんどをいまや私が借り切りつつある・・・(後略)

冒頭からはじまる与太話から、気象観測船「しらせ」に乗って、「吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度」を経ての南極行2ヶ月をつづる。matome.naver.jp

が、真面目にとらえてはいけないです。
あちこちにちらばる色気バナシというより、エロ話、下ネタが満載トラップ(笑´∀`)。
南極の条件は苛酷。だが、その苛酷さと厳しさをそのまま文章にしてもそれでは曲がない。
あえて下世話な表現をいれて笑いを誘いつつ、苛酷さを暗に表現してみせている。笑いの陰には涙があり、優しさの裏に本音がにじむ。
「一部では大変なお叱りを受けた」という内容。静かな場所では軽軽にページをめくらぬよう。

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)