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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【きま本 #70】石田章洋『企画は、ひと言。』のエッセンスをいただいた夜の神保町

30 自在眼鏡の本棚 31 たまビジ(「たまにはビジネス書も読むわよ」)

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石田章洋『企画は、ひと言。』。

以前、facebookで投稿した内容を、ちょいミスで削除してしまいました。バックアップもとっていなかったので、愕然!
石田さんには申し訳ないことをしました。

かわりにといってはなんですが、この本が出版されたときに、神保町の東京堂で行われた出版イベントに参加してきましたので、そのレポートを掲載します。

総視聴率50000%の放送作家のアイデア発想術を聞いてきました

昨夜、神保町の東京堂書店で、放送作家・石田章洋さんの著書『企画は、一言。』(JMAM)のオーディオブック出版記念イベントに参加してきた。
『企画は、ひと言。』オーディオブック発売記念 石田章洋さんトークイベント 10月21日(火)19時~ | 東京堂書店 最新情報

全体は二部構成。
第一部はアイデアの出し方(石田さんから)と、求められる出版企画、著者像などについて(久保田さんから)。
第二部は、ラジオの仕事も数多く手がけてこられた石田さんと、ラジオ好きの久保田さん(この方、ご両親が厳しくてテレビを見せてくれなかったんだそうで)が、実際に某ラジオ局に提出する新番組企画を作るという、 題して「こんなラジオ番組があったら、おもしろいんじゃないか会議」。

それぞれ面白かったんですが、ここでは一部の内容をざっくりとメモしておきます。
企画アイデアの出し方というか発想法自体が本書のキモなんでそれはそちらを読んでもらうとして(笑)、この本に書かれていない方法のひとつを披露していただきました。

いまのテレビ企画は、「軸をつくる」ことができていないと長続きしないんだそうで、つまりは場当たり的というか、「なんでもやりまっせ!」という番組は育たないんだそうです。これは一部後段にでてくる出版企画の話にもつながっているなと感じました。
「軸」というのを構造だの原則だのキモだのテーマだのと言い換えてもいいんですが、その作り方(まとめ方)を教えてもらいました。

作り方のキモは、「ものごとをいったん抽象化してみる」ことなんだそうで。
抽象化してみるのは、

  1. 過去ウケたもの(同分野)
  2. いま、ウケているもの(異分野)

これらをいくつかリストアップしてみる。

たとえば、2014年ウケた(ヒットした)ものに、「アドラー心理学」、「アナと雪の女王」がありますが、この両者に共通するものはなにか。

そこで浮かんでくる共通キーワードのひとつに、「自己承認」(ありのままの自分を認めてほしい)があります。
そして、その「自己承認」という言葉をはらんだものを具体的に考えてみるというのです。

「具体→抽象化→具体」の過程をたどってみるという方法。
一般的には「アナロジー思考」というとか。

石田さんからは、ご本人セレクトのアイデア発想法の3冊を紹介してもらいました。

アイデアのつくり方

アイデアのつくり方

アナロジー思考

アナロジー思考

ラジオは脳にきく[プレミア健康選書]―頭脳を鍛える生活習慣術

ラジオは脳にきく[プレミア健康選書]―頭脳を鍛える生活習慣術


第一部後段は、株式会社オトバンクの久保田さんから、「いま求められる出版企画」というお話。

いま求められる企画とは・・・

1.ターゲットが明確である。

どのくらい絞るかというと、例えば「足立区のスーパーで、毎夕買い物に来る人たち」くらいのレベルだそうで。著者のなかにはここに相当こだわる方がいらっしゃるそうです。極端ですが、自分のfacebookのタイムライン示して、「この人に伝えたい」と指さすくらい、とか。

2.いま、話題のテーマではない。

例えば。いまさら「アドラー心理学」でもないだろう・・・ということ。
ここからは私見ですが、
しかし、何かと掛け合わせたり、新しい切り口があれば、また違うんじゃないかと。

3.半年先の未来を予想する。

んなこと、簡単にはできないすw
久保田さんは出版するまでのスケジュールをイメージされて話をされていました。編集担当者と打ち合わせをし、新規に執筆をはじめると、本ができるのはだいたい半年先をみておく。2.の話と連動しますね。
ちなみに、「編集者は読者の一歩先ではなく、半歩先を歩くんだ」というのは、わたくしの元ボスのことばでした。読者からすると、一歩先は遠すぎる。半歩先くらいがちょうどいい。ということですが、その加減は難しい。

4.その人しか書けない企画
経験、実績、発見、法則、成功した習慣etc. 
ちなみに、わたくし、40代で2回育休(それぞれ一年)とりましたけど、1回の育休取得はあるけど2回はないだろ、みたいなことですね(その内容が面白い云々はここでは不問としてw)。

いま求められる著者とは

1.重版率が高い

「重版」というのは、その本が初刷ではなく、二刷、三刷と版を重ねていくことです。版が重なることは、出版社にとっては札束刷っているのと同じなので、うれしいこと。
いまの重版率は、全体で30%ていど。70%の本は初刷で終わっているわけで、3割バッターが求められていると。

2.出塁率が高い

つまりは、「次の本が出せる人」のこと。一発屋じゃないってことです(久保田さんは野球をされないのにたとえ話はほぼそれw。でもマラソンはサブスリーらしい。こういうところにぼくは引っかかるんです)。

3.編集者が「この人ならベストセラーを出せる」と確信が持てる

要するに、編集者がその著者の「信者」ってことですね。「あるいは、充分なブロックバスター的売れ方の実績がある人、ってことでもあります。

企画になりうるアイデアの源泉とは

1.「直球×変化球」の掛け合わせ

例えば、「昆虫学者×アブラムシ」、「女子高生×現役社長」とか(※すいません、このあたりメモし忘れ)。

2.ニッチだけれど、一気にメジャーになるポテンシャルを秘めたもの

著者のキャラが立っている、というのも重要だそうです。


現役の編集者さんから言われると、少し背筋が伸びますね。
ちなみに、個人的に刺さったのは、企画・アイデア云々とは関係がなく、彼がサブスリーのランナーだという話のくだりで、

その分野を極めようとすればするほど論理的にならざるを得ない。
そして必要なもの・こと、要らないもの・ことを見極めていくのが大事。

というような話。
どこからでも気づきを得られる機会はあるもんです。

企画は、ひと言。

企画は、ひと言。