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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【サンヤツデイリー #2】春の一日~『蕪村全集』

『蕪村全集 第1巻 発句』(講談社)。春の一日(いちじつ)をあらわした一句といったら、ぼくにとってはこれ。なの花や月は東に日は西に安永3(1774)年、蕪村59歳の作です。 蕪村が、現在の神戸市灘区にある六甲山地の摩耶山を訪れたとき菜の花栽培地帯を詠…

【カラマーゾフの習慣 #4】カラマーゾフ一家の問題の根っこ

前回まで。 thx.hateblo.jp今回は、p271まで読みました。 第2編「場違いな会合」がようやく終わり、第3編「女好きな男ども」に移ります。まずは第2編の後半。 修道院でカラマーゾフの父子と身内が、お互いを罵り合いながら修道院長との昼食会に招かれます。 …

【カラマーゾフの習慣 #3】場違いというより、罰当たりな会合がつづいている

『カラマーゾフの兄弟』を読破するシリーズ。シリーズ名は「カラマーゾフの習慣」前回から1ヶ月以上経過しているのに、30ページほどしか進んでいません。p.198まで。前回までは。 thx.hateblo.jp第2編「場違いな会合」の場面です。ぼくに言わせれば、「場違…

【#214】2015年の大つごもりに

先週、クリスマスをテーマにした短編をふたつ紹介したと思ったら、もう暮れのどんづまりである。クリスマスがハッピーな彩りであるならば、大晦日はどうだったか。 借金があれば大晦日までにその返済の算段をし、新年の餅代に奔走するのが師走の日本の風景だ…

【カラマーゾフの習慣 #2】ある家族の物語がはじまる。

すっかりご無沙汰の(他にもそんなテーマはいっぱい転がっているけれど)、『カラマーゾフの兄弟』読破の企みですが、こつこつと進めています。手元の進行表ではもう2巻目に入らないといけないんですが、ええまだ1巻目の前半をウロウロしています。 おもに…

【カラ兄日記#1】大殺界は「夏休みの宿題を終わらせる時」だっていうから、この本を読む

わたくし、大殺界の真っ只中におります。しかも、霊合星です(苦笑)*1。今年初年なので、あと2年はつづきます(涙)。 大殺界は、一般的に「何もしないでじっとしている時期」というイメージがありますが、そう単純ではないようです。もしそうなら、それで…

【書架 #202】怒りが普遍的な感情ならアンガーマネジメントもまた変わらないもの

セネカ『怒りについて』(岩波文庫)。 先日のミュージカル「クオ・ワディス」の余韻を駆って、読んでみた。 セネカは、ミュージカルでは、皇帝ネロの側近として傍に仕えている。セネカ自身はローマ時代の哲学者で、ティベリウス、カリギュラ、クラウディウ…

【書架 #201】『クオ・ワディス』のミュージカルを観てきました!

ミュージカル「何処へ行く」を観てました。www.t1010.jp原作となったのは、シェンキェーヴィチ『クオ・ワディス』(岩波文庫)です。上中下巻3巻ありますね(^^; 本はひとまず買いましたが、けっきょく見終わった後までページをめくりませんでした。ま、積ん…

【書架ノート #172】『ハムレット』にみる、父親から息子への「手向けの言葉」

引いたのは、シェイクスピア『ハムレット』の一節。 宰相ポローニアスから、旅立たんとする息子レアティーズへのはなむけの言葉だ。ポローニアスは、ハムレットの恋人・オフィーリアの父であり、レアティーズはオフィーリアの兄である。 さあ、父からの祝福…

【読む #171】藤森栄一『心の灯』、<好きなこと>を守り育てることの大切さと素晴らしさ

藤森栄一『心の灯 考古学への情熱』(筑摩書房)読了。心の灯(ひ)―考古学への情熱 (ちくま少年図書館 10)作者: 藤森栄一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1971/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書は、青少年向けに書かれた藤森栄一の自伝で…

【刺さる読書 #035】カフカ『変身』でわかった、古典はエンターテインメントだよ

お盆の時期でお休みの方も多いので、ここしばらくはエンターテインメントの作品の感想文をあげることにします。 ネタバレ記述あり。ということで、まずはフランツ・カフカ「変身」(丘澤静也訳、光文社古典新訳文庫『変身、掟、その他2篇』所収)。 はじめ…

【らじおトーク】第87回「バルバラ『赤い橋の殺人』を語る」の巻

毎週金曜日の配信をちょい前倒しして、恒例 ホンの駄話「本棚らじお。」です。今回は、バルバラ『赤い橋の殺人』(光文社古典新訳文庫)を読みました。赤い橋の殺人 (光文社古典新訳文庫)作者: シャルルバルバラ,Charles Barbara,亀谷乃里出版社/メーカー: …

【刺さる読書022】ウェルズ『タイムマシン』を読んで、120年前の想像力のたくましさに触れる

H・G・ウェルズ『タイムマシン』(光文社古典新訳文庫)読了。タイムマシン (光文社古典新訳文庫)作者: ハーバート・ジョージウェルズ,Herbert George Wells,池央耿出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/04/12メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含む…

【らじおトーク】第86回「グレアム・グリーン『情事の終り』を語る」の巻

毎週金曜日は、恒例(にします)ホンの駄話「本棚らじお。」の紹介。今回は、グレアム・グリーン『情事の終り』(新潮文庫)を読みました。情事の終り (新潮文庫)作者: グレアムグリーン,Graham Greene,上岡伸雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/04/28メ…

【刺さる読書#014】ゴーゴリ「鼻」には、落語が似合います

*ネタバレありニコライ・ゴーゴリ「鼻」(浦雅春訳、ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』所収、光文社古典新訳文庫)、読了。この短編、書かれたのは1833年から1835年にかけてで、発表が1836年だとか。すいぶん時間をかけている。鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳…

【刺さる読書012】バルバラ『赤い橋の殺人』を読んで改めて感じた、古典はエンターテインメント

※ネタバレ注意※バルバラ『赤い橋の殺人』(亀谷乃里訳、光文社古典新訳文庫)、読了。 新刊で書店に並んだときに、ちらと背表紙だけは確認したが、バルバラという作者にピンとこなかったので、そのまま素通りしてしまっていた。 後で、「週刊文春」で坪内祐…