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積ん読王の 自由画帖

〈読み、考え、旅をし、見て、話して、書く〉同時代ノート。

【読む #180】ミステリ通が羨ましい1冊~小林泰三『記憶破断者』

小林泰三『記憶破断者』(幻冬舎)。こういう本を手にしたときに、ミステリを読み慣れていないのはしんどいなと思います。 んじゃ読まなきゃいいんですけど、すこし前にこの作者の『アリス殺し』を読んで、訳が解らないなりに、その壮大なスケールに驚いたの…

【折々の本棚 #130】『笑う警官』に見た、警察小説の原点!

※ネタバレ記述あります。マイ・シューヴァル、ペール・ヴァールー『刑事マルティン・ベック 笑う警官(The Laughing Policeman)』(柳沢由美子訳、角川文庫)、読了。どこかで聞いたことがあると思ったら、同名の佐々木譲の小説だった。このスウェーデンの…

【折々の本棚 #119】近藤史恵『タルト・タタンの夢』にでてきた、ヴァン・ショーが飲みたくなりました

近藤史恵『タルト・タタンの夢』(創元推理文庫)。カウンター7席、テーブル5卓。下町の小さなフレンチ・レストラン、〈ビストロ・パ・マル〉(悪くはない、の意味)は小ぶりな店だ。 そこのシェフである三舟は、10年以上フランスの田舎のオーベルジュやレス…

【折々の本棚 #111】 沢村浩輔『夜の床屋』こそ、奇想と呼んでいいでしょう

沢村浩輔『夜の床屋』(創元推理文庫)。山道に迷い、無人駅で一夜を明かすことになった若人ふたり。人影もない駅近くで、深夜ふいに理髪店に明かりがともる。 訝しむ彼らがその理髪店のドアを開けると、そこは深夜にお得意さんのために店を開くのだという。…

【きま本 #90】エラリー・クイーン『オランダ靴の秘密』は森博嗣が「いちばんクイーンらしい作品」と太鼓判

エラリー・クイーン『オランダ靴の秘密(The Dutch Shoe Mystery)』(越前敏弥・国弘喜美代訳、角川文庫)。エラリー・クイーンの「国名」シリーズ第3作目です。 じつは、わたくし、エラリーさんは今回が初読。しかしながら、積ん読は10作はあろうかと。が…

【きま本 #78】ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』は80年前の小説なのに、「週刊新潮」の臭いがプンプン(笑)。

ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす(THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE)』(光文社古典新訳文庫版)、読了。 この小説、さいきん新潮文庫からも新訳されている。何回目化の映画化があるのか、どうなのか。郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫)…

【きま本 #77】 法月綸太郎『一の悲劇』は、書きっぷりが昭和の香り漂っていて。

法月綸太郎『一の悲劇』(祥伝社ノンポシェット)。たまミスシリーズ。初版はいまから20年くらいまえ。昨年だったか、けっこう評判になっていた。まあ時代を感じさせるアイテムがちらほら。主人公の山倉の息子と間違って、その友だちの富沢茂が誘拐される。 …

【きま本 #75】ピエール・ルメートル『その女アレックス』、本屋大賞(翻訳小説部門)第1位御目出度うございます。

ピエール・ルメートル『その女アレックス』(文春文庫)。 ネタバレあります。昨日決まった「本屋大賞」の「翻訳小説部門」第1位に見事選ばれた。 御目出度うございます。本を読まずに語るのが身上の積ん読王ですが、この本は読みましたよ! ええ。 じつは…

【きま本 #59】青崎有吾『体育館の殺人』の、アニメくすぐりに頬もゆるみます

青崎有吾『体育館の殺人』(創元推理文庫)。「たまにはミステリも読むわよ」、通称「たまミス」シリーズ。今回が初回です。開花宣言もでたというものの、いったん冷え込んだ関東地方ではございますが、今日は冬型も緩みまして、そろそろ桜のつぼみもだいぶ…

【刺さる読書#028】小林泰三『アリス殺し』はホラーっぽいミステリで夏向きかしら

例によって、ネタバレっぽい記述あり*1。小林泰三『アリス殺し』(東京創元社)、読了*2。2014年度の「このミステリーがすごい!」4位作品。こういうランキングでは、4、5、6位に位置づけられるという中途半端さが個人的には愛おしい。アリス殺し (創元クラ…

【刺さる読書012】バルバラ『赤い橋の殺人』を読んで改めて感じた、古典はエンターテインメント

※ネタバレ注意※バルバラ『赤い橋の殺人』(亀谷乃里訳、光文社古典新訳文庫)、読了。 新刊で書店に並んだときに、ちらと背表紙だけは確認したが、バルバラという作者にピンとこなかったので、そのまま素通りしてしまっていた。 後で、「週刊文春」で坪内祐…